5月26日から国会で安保法案(戦争法案)の審議が始まりました。安倍内閣が昨年7月1日に実施した「集団的自衛権の閣議決定」から与党他内調整を経て、本年5月14日には「平和安全法制整備法案」とされる10の改正法案と新法「国際平和支援法案」が閣議決定され、これらをいよいよ国会審議の俎上に載せたのです。
私はこの歴史的な法案審議に大いに関心を寄せています。何故ならこのまま法案を通すことになったら、日本国憲法の「平和主義」が安倍内閣によって事実上壊されることになると思うからです。その意味で私は国会の論戦で法案の中味が国民に明らかになることを望んでいます。
しかし、私はこの法案審議の進め方に多いに疑問に感じています。
一つは、すでに安倍首相が4月29日に米国連邦議会上下両院合同会議で演説を行い、『この夏』には関連法案の整備を終えたいと明言したことです。我が国の国会論議が始まる以前に他国の議会で他国の国民の代表者に約束するのは「禁じ手」と思います。
二つ目は4月27日にはニューヨークで外務・防衛閣僚会合(2+2)を開催し、自衛隊と米軍の役割分担を定めた『防衛協力のための指針(日米ガイドライン)』を再改定したことです。そこには国際的な活動における協力に海洋安全保障を掲げ、ホルムズ海峡を念頭に戦時の機雷掃海で自衛隊と米軍は協力しあうと明記されているのです。このことは戦後70年間、日本国憲法が平和主義のもと海外で戦争はしないとの『専守防衛』に風穴を開けることになります。こんな大事を何故国民の得心を得る幅広い論議を経ないで行てしまうのかと安倍内閣への不信感が高まります。
私は国会論戦にも関心を寄せ、マスコミ媒体を通じて論戦の状況を把握するよう努力していますが、現在までのところ、与党安倍政権の不誠実な説明と答弁ぶりに腹の底から怒りが湧いています。私などはこの法案を通すと日本の自衛官のリスクは飛躍的に高まるのではないかと予想しています。しかし、政権の説明者はリスクは高まらないと繰り返すばかりで、何故そうなるのかについての理由を全く説明しないのです。いったい立法府(国会)を何と心得ているのか、あきれるばかりです。これからはこの法案に込めた意味を国民へ正直丁寧に説明するよう求めます。
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