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2014-06-01

北大農学部その⑤明治日本の植民地支配

(古河講堂)
(岩波全書)
私は「明治日本の植民地支配 北海道から朝鮮へ」(井上勝生著/岩波現代全書)を読んでから、今回の北海道札幌訪問を行った。「一体の遺骨の謎から、ジェノサイドの真実に迫る」との本の横帯文言も刺激的であり、著者の井上勝生さん(北海道大学名誉教授)の誠実な人柄を想起させるこの本の内容が、私の心にしっかりと入り込んでいる。
北大の古河講堂に放置されていた頭蓋骨の遺骨には東学党首魁と書き込まれていた。朝鮮半島で東学党が蜂起したのは1894年日清戦争中の出来事になる。何故、長きに渡り、北大にこのような髑髏が放置されていたのか、その謎に調査を通じて迫り、ついには札幌農学校、北大の植民学にもメスを入れ、これまでほとんど解き明かされなかった歴史を取り纏めて本にしている。
(佐藤昌介像)
(クラーク博士像)
北大構内を訪ね、何枚かの写真を撮らせていただいたが、写る被写体の形はこれまでと同じでも、クラーク博士に連なる新渡戸稲造、内村鑑三、有島武郎、佐藤昌介らにこれまで私が抱いてきた札幌農学校の良き話題のいくつかについてはイメージの追加が迫られそうだ。

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